図−1 Karmanの付加質量
図−2 Wagnerの付加質量
Wagnerの理論は楔の周りの流れを、一様流中に置かれた拡大平板(expanding plate)の周りの流れで近似して導いたもので、衝撃角βが小さい範囲で成り立つ。一方、Ferdinandeは、大きい衝撃角での衝撃水圧を求めることを目的に、拡大平板の代わりに拡大菱形(expanding prism)を用いて、Wagnerの理論を拡張している。Ferdinandeの計算に従うと、衝撃角の大きさに関係なく衝撃水圧を求めることができることになるが、一般的な取り扱いは簡単ではない。
表−1衝撃水圧のビーク値の比較
表−1にexpanding plateとexpanding prismによる衝撃水圧のビーク値の比較を示しているが、衝撃角が小さい範囲で両者は一致しており、衝撃角が大きくなると両者の差(比率)が大きくなることが分かる。付加質量はWagnerのexpanding plateの理論では、Karmnnののπ/2倍で一定であるが、expanding prismでは図−3に示すように衝撃角が大きくなると共にπ/2倍から減少することが、Ferdinandeにより示されている。また、接水巾cはWagnerの理論では平水での接水巾c0の(π/2)倍であるが、Ferdiandeの計算によると、図−4に示すように衝撃角によって変化する。
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